世田谷区 どんな人も自分らしく 障がい者放課後等デイサービス らしさ

Mさんの場合

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息子と家族以外の人との
接点をつくり、
自分の時間もつくる

Mさんの場合

共働きで3人のお子さんのいるMさん一家のご長男は、
「らしさ」を利用し始めて約5年。
のびのび成長し高校2年生の進級を控え、
現在は進路の課題にも向き合っていると話すMさんに、
利用し始めた頃から現在までのお話を伺いました。

Mさんの場合

利用のきっかけ

―利用のきっかけはどんなことでしたか?

長男はダウン症とファロー四徴症(心臓の病気)があり、1歳10ヶ月からデイサービスに通っていました。長く通っていたのですが、その施設でちょっとアクシデントがあって、本人が行きたがらない様子になって。とはいえうちは共働きなので日中預ける先が必要。彼の学校の保護者の方から「らしさ」を教えてもらい、中学に入る頃から利用をスタートしました。他でも通っているところはあったのですが、混み合っていて少ない日数しか預けられなかったので、運良く空いている曜日に利用できるとなってよかったです。

―平日預けられることのほかに、検討の要素はありましたか?

家族以外の大人との関わりを持たせたかったのはありますね。学校だと「先生・生徒」の関係性になっちゃいますから。

1年ほどで生まれた
自己表現への驚きと安心

―普段ご長男と向き合う時に、大事にしていることはありますか?
普段ご長男と向き合う時に

本人の気持ちでしょうか。「こうしちゃえば私は楽」ということでも、本人がイヤなら意味がない。どうしても仕事で急いでるとか調整が聞かないなんて時は、ごめんねって言いながら何かをお願いすることもありますが、本人の気持ちを一番に考えたいとは思っています。

◀ご長男が好きな、電話やアフロウィッグなどのおもちゃ
―その人「らしさ」を大切にする、本人の意思を尊重するという、デイサービスの理念そのものですね。

「らしさ」に入って1年頃の話なんですが、スタッフの方から長男が「机の上に乗って騒いだ」という話を聞いて。長男はちょっとの段差でも何かに乗るのを恐れる子だったので、まさか机に乗るなんてと驚きました。その時のスタッフさんには申し訳ないのですが(笑)、そんなことできる子なんだ、とびっくりしました。友達や家でもいつもやられっぱなしなことが多かったのに、成長につれていたずら度合いも増してきて、もう私はそんなに神経質に心配しなくていいなと思うようになりました。
いたずらでも、自分がしたいと思うことを自分でできるようになった、ということにほっとしたのを憶えています。それは、家にいるだけだったら多分できなかったと思うんです。やっぱり家族以外との関わりを持つ場があるのはよかったとすごく実感してます。いまは夏休みや年末年始など、長期休暇の期間も毎朝「今日らしさ行く?」なんて言って。好き放題できるからかもしれないけど(笑)、楽しいんでしょうね。

「かわいがられる力」を
身につけてほしい

―らしさに通い始めてそろそろ5年目という頃かと思いますが、利用の前後で変わったことなどはありましたか?
かわいがられる力

自分の思ったように行動できるようになる、たとえば年下の子のお世話をするとか、人に言われなくてもやっているのが良かったです。まだまだ自分のことで出来ないことも多いんですが、今は自分で検索してYouTube見たりゲームしたり、私よりできることも増えてきています。
だから私、ダウン症だからって悩んでなくて。「どうすればもっと色々なことができるようになるのかな?」と考えたりはしますけどね。どちらかというと心臓の病気の方が心配です。
私は結構「なんとかなるさ」って捉える節があって。彼一人だと確かに生きていけないとは思うんです。助けてくれる人は必要。だから、本人に「かわいくいなさい」と言っています(笑)。

―愛嬌って、生きる術として大事な場面ありますよね(笑)

そう! 色々できた方がもちろんいいと思うけど、他者にかわいがられて助けてもらって生きていく、っていうのも大切な力だと思います。

―この春高校2年生となると、進路を考える時期ですね。今向き合っている課題などはありますか?
この春高校2年生となると

将来はおそらく作業所に入ると思うんですが、どういうところがいいのか考えています。一度、長男の作業の授業を見に行ったことがあって、すごく集中していくつも封入作業をしていて驚きました。こういうこともやれるんだなって。家だと「できない!」「やって!」と言われるので…まんまと騙された(笑)。
ただ、楽しかったりつい頑張りすぎたり、エネルギーの配分を制限しにくいのか、学校で疲れてしまうことが多いんです。それを見ると、無理せず送迎のある生活介護の方がいいのかとか、やっぱり(就労継続支援)B型かなとか…本人の様子を見ながら検討中です。

「日中勤務+らしさ利用」の1日

―この記事の読者の方には、デイサービスの利用で自分の生活は
どんな流れになるのか?と検討中の方もいるかと思います。
Mさんの、1日のタイムラインを教えていただけますか?
らしさ利用の1日

今は不登校で子どもがみんな家にいるので介護の仕事を休んでいるのですが、
勤務している時でいうと、

04:30 起床
05:30 家を出て職場で朝食
07:00 勤務開始
16:00 勤務終了
18:00 長男帰宅(スクールバス)
19:30 夕食
21:00 入浴
22:00 翌日の子どもの準備など
23:00 就寝

らしさ利用の1日

といった具合です。朝は夫、夜は私と分担し、夜に私が子どもの準備を全て行い、朝は食事も子どもの送りも夫です。

頼れるものには
頼ったほうがいい

―最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

力添えが必要な子をひとりで育てるのは本当に難しいと思います。家族じゃなくても、誰かに助けを求めないと、親がつぶれてしまう。だからこういうデイサービスは積極的に活用して、頼っていいと思うんです。
自分は専業主婦だから……と思ってしまう人もいるかもしれないけれど、外で仕事してないから頼る資格がないなんてことは絶対にない。自分の時間も多少ないと無理ですよ。私は仕事がストレス発散だったので、どうしても仕事をしたくて不登校になる前は勤めてましたし。本当に、1人で考えなくていいんだよって皆さんにお伝えしたいです。
もし預けていいのか迷い中なら、ひとまず預けてみては? と言いたいです。預けても合わないこともあるし、まずは預けてみないとわからない。そうこうしているうちにどんどんストレスが溜まって不安になって、でも夫やパートナーに言っても全然ダメ……みたいな方もいると思うんですよ。うちは幸い、私の両親も、夫の両親もすごくかわいがってくれるのでいいですが、「隠しなさい」っていう親もいるなんて聞くと「こんなかわいい子たちを隠せってどういうこと?」「よく見て、この子を!」ってすごく思う。誰かと比べなくていいと思うんです。
色んな特徴があるので、全員が全員そう思えないかもしれません。でも私の場合、親バカですが、うちの子はこんなにかわいくのびのび育った。小さな頃長男に関わりのあった人とは今もやりとりをしていて、「こんなに大きくなったのね!」と話ができるのはいいものですよ。

今悩んでいる方にとっては、こうした話はちょっと納得感が薄いかもしれません。でも本当に、何かちょっと違うだけ、と私は思います。うちの夫なんて、長男・次男・長女に文字通り同じように接して、はたからみていて「いや、それ長男できないから」ってことをやらせたりするくらい。私と夫がそんななので、次男や長女もそれなりに影響は受けていると思います。我が家はそんな感じです。

取材:2022年2月
頼ったほうがいい

らしさからのコメント

管理者の五味です。
らしさのスタッフは、若いスタッフ(大学生もいます)や女性を中心に構成されています。
スタッフは、子ども達のことを1番に考え、知恵と工夫を出し合いながら日々活動をしています。
らしさには、テレビもパソコンもiPadもありません。
でも「みんなで面白いこと、楽しいこと、ワクワクすることをやろうよ!」と考えています。
子どもたちとスタッフのエネルギーを大切にしながら、ひとつひとつ「らしさらしい形」を作り上げています。
「なんとかなるさ」……保護者の方も、お子さんも、
そんな穏やかな気持ちで、お気軽に一度見学にお越しください。

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